低侵襲手術への取り組み
患者さんの負担を軽減するため、腹腔鏡手術・ロボット支援手術・経肛門手術を積極的に導入しています。ロボット支援手術はこれまでに500例以上施行しており、中国四国地区でも有数の症例数を誇ります。また、側方リンパ節郭清や他臓器合併切除など難易度の高い手術では、術中ホログラムを用いたシミュレーションを取り入れ、より正確で安全な手術を目指しています。
下部消化管
結腸・直腸癌・炎症性腸疾患・腸閉塞を対象とする下部消化管グループ。ロボット支援手術はこれまでに500例以上施行しており、中国四国地区でも有数の症例数を誇ります。
患者さんの負担を軽減するため、腹腔鏡手術・ロボット支援手術・経肛門手術を積極的に導入しています。ロボット支援手術はこれまでに500例以上施行しており、中国四国地区でも有数の症例数を誇ります。また、側方リンパ節郭清や他臓器合併切除など難易度の高い手術では、術中ホログラムを用いたシミュレーションを取り入れ、より正確で安全な手術を目指しています。
下部直腸癌では、根治性、QOLの維持、合併症リスク、患者さんの希望を総合的に考慮し、最適な治療法を選択しています。術前化学放射線療法(CRT)や経肛門的直腸間膜全切除術(TaTME)を積極的に行い、肛門温存を重視した治療に取り組んでいます。
① 術前化学放射線療法(CRT)局所進行下部直腸癌(Stage II・III)に対し、SOX+Bevacizumab併用化学療法と放射線療法を組み合わせることで、pCR 19.6%、5年DFS 73.6%、5年OS 93.7%と良好な治療成績を得ています。
② 経肛門的直腸間膜全切除術(TaTME)2018年に導入し、これまでに約230例を施行しています。側方リンパ節郭清や他臓器合併切除症例にも経肛門アプローチを応用し、治療成績の向上を目指しています。
下部直腸癌の手術では、骨盤の深い位置で腫瘍を確実に越えて剥離する必要があります。特に狭骨盤・肥満・巨大腫瘍では視野が悪く、従来の腹腔側アプローチでは操作が難しくなることがあります。TaTME(経肛門的アプローチ)では腫瘍の肛門側から直視下に剥離を進めるため、視野が良好で、腫瘍を確認しながら安全な切離ラインを決めることができ、より確実な腫瘍切除が可能になります。当科ではロボットによる経腹腔アプローチに、経肛門アプローチを併用したHybridロボット手術を積極的に行っています。
Kashihara H et al. Surg Today. 2025
尿道損傷回避の工夫
Tokunaga T, et al. Asian J Endosc Surg. 2020
Tokunaga T, et al. Tech Coloproctol. 2023
新たな吻合法の開発
Tokunaga T et al. J Laparoendosc Adv Surg Tech A. 2021
Hologramを用いた術中Simulation
経肛門アプローチは普段行っている手術を反対からアプローチすることになるため、解剖の理解が重要です。男性の場合尿道損傷のリスクがあるといわれており、我々は術中尿道造影や術中ホログラムによるシミュレーションを行うことで安全に施行可能であることを報告しています。
Tokunaga T et al. Surg Endosc. 2023
Hybrid側方リンパ節郭清
Tokunaga T et al. Surg Endosc. 2024
拡大切除・再発腫瘍への応用
経肛門アプローチを併用することで手術時間の短縮と出血量の減少が得られます。血管合併切除症例では、経肛門アプローチにより安全性の高い手術が可能となります。
腹腔内からのアプローチだけでは切除が困難な拡大切除症例や再発腫瘍症例にも経肛門アプローチを併用することで安全に切除が可能となります。
新たなレジメンの開発
(Higashijima J, Tokunaga T. Int J Clin Oncol. 2021)
化学放射線療法前
化学放射線療法後
骨盤内臓全摘術後
SOX+Bevasizumabを併用した術前化学放射線療法を臨床試験として開始し、高い治療効果を報告しています。また、化学放射線療法を含む集学的治療を組み合わせることで、これまで切除不能と判断された症例でも切除可能な状態へ導くことを目指し、積極的に取り組んでいます